地元の郷土料理のあくまきを食べよう。南九州の味紀行

2018/4/29日々のこと

わらびをもらったので灰汁抜きをしました。

このわらびの灰汁抜きは木灰の入れる量を気をつけないといけません。入れすぎるとわらびがドロドロ溶けてしまうし、入れ足りないとアクが抜けない。絶妙な加減が必要な作業なんです。

どうもこんばんわ。絶妙と良いながも毎年適当に入れて灰汁抜きしているそば屋のそばっこです(笑)

まー感ってやつです(笑)こういうの得意なんです(笑)

という事で今日はアクをつかったお餅。あくまきの話をしますねーー。

あくまきって何?

この地域では、こいのぼりの上がる季節に食べるものがあります。

それは『あくまき』

南九州の方はよくご存知ですが。。。他の地域の方はあくまきって何?って思いますよね。「ちまき」ではないのでそこは注意してくださいね。あくまきを簡単言うとお餅です。でも作り方が特殊。

木や竹を燃やした灰からとった灰汁(あく)にもち米を浸し、一晩置きます。その漬け込んだもち米を竹の皮で包みアク汁で数時間煮込んで作る独特のお餅なんです。多分これだけではどんな味なのか想像できませんよね(笑)

こうしてもち米を一晩アク汁につけて混んで次の日に竹の皮に包み長時間煮ます。アク汁がもち米を柔らかしドロドロしたお餅みたいになります

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皮を開いていてみると透明感があり、きれいな琥珀色をしています。ひとくち食べると、柔らかくもっちり。プルンとした食感!わらび餅のような食感です。味はアクの香りがしますがさっぱりした味わい。

あくまきの食べ方

あくまきの食べ方は主にきな粉で食べるのがポピュラーですかね。

そのほかには黒糖、黒蜜、醤油(わさび、生姜)はちみつ、ココアなどつけて食べる食べ方があります。

きな粉と砂糖のシンプルなあくまきの食べ方
醤油とわさび。お酒に合う食べ方
これが一番好き。きな粉に黒蜜

他にもちょっと面白い食べ方としては衣をつけて油で揚げる。それを天つゆや塩で食べる。揚げだし風にあくまきを食べる。外はサクサク中はトロッと絶妙で美味しいあくまきの食べ方ですよ

あくまきの切り分け方がなんともイケているんです。

このあくまきを切るのも田舎の知恵があります。えっ!?切るのは包丁でしょって思いますよね。もちろん包丁でも切れます。でも包丁にべったりつき切りにくいのです。

あくまきの本当の切り方はちょっと違います。結んでいた竹の皮の紐を使います。竹の紐を竹の皮とあくまきに下にくぐらせ剥がします。次に一口サイズにあくまきを結ぶように切っていきます。これがあくまきの切り方です。

そもそもこのあくまきはいつから食べられるよになったのか?

薩摩藩で日持ちする兵糧としてあくまきが作られた。そのあくまきを食べる際どうやって切り分けるのか?戦場では包丁などありません。どこでも切り分けて食べる知恵がこの竹の紐といわけです。

鹿児島の英雄西郷どんも食べてましたよ。

西南戦争の折に西郷隆盛が、あくまきを持参し重宝されていたことは、広く知られています。西郷軍があくまきを鹿児島だけでなく、宮崎や熊本、大分に

まで広めたのは西郷隆盛といわれています

  • 灰汁で長時間煮ることによる滅菌作用
  • 竹の皮を使うとによる抗菌作用
  • 灰汁のアルカリ性による雑菌抑制作用

これらがあくまきの保存性を高める秘密。ミネラル豊富なアルカリ性食品のあくまきは、南国の携帯食として、兵糧食として最適だったことでしょう。

あくまきの起源

食べ物には起源というものがあります。このあくまきにも。もちろんあります。

諸説は色々あるんですが自分はこの諸説が好きなので紹介します。

旅をしてる途中に焚き火をしていておにぎりをそこに落としていまいました。

灰まみれのおにぎり。その時ちょうど雨が降り灰まみれのおにぎりが腐らず食べれた。これがあくまきへと進化していった説です。

何よりも落ちたおにぎりを食べた人の勇気がすごい(笑)普通は食べない(笑)でもこの時代の人は食べるんです。もったいないから。食べ物ってそれだけ貴重だったというわけです。

あくまきを食べて食の大切さを学びますよね。食べ物の意識を大切に持ったことにより生まれたあくまき。その郷土料理から学ぶことは多いです。

がまこう庵のあくまきへの愛情は他とは違う。

毎年がまこう庵であくまきを買ってくれるお客様がたくさんいます。色々食べたけどここのが一番好きだといってくれます。ありがたいです。嬉しいです。

でも実際何が違うのだろうか。他のあくまきも美味しいものもあります。

がまこう庵のあくまきと他のあくまきの違いは愛情の注ぎ方の違いなのかなーって勝手に思います。もちろん他のところのも愛着を持って作っていると思うんです。じゃ何が違うかていうと。あくまきに使う素材への愛情ががまこう庵は違うと思う。基本的になんでも商品を作る上ではそうなんですが。使う素材はできるだけ自分たちのよく知る素材を使いたい。自分たちで育てたもの。自分たちの信頼できる人が育てたもの。自分たちが見える素材であるということです。

あくまきでいうと灰汁はお店で使う薪ストーブの灰を使います。何を燃やして灰になってるか自らがよく知ってます。

もち米はえびの市にある友達の無農薬米農家鬼川さんが育てたもち米を使います。信頼できる農家さんです。

使う水は霧島の湧き水。

全て自分たちが把握できる素材からできた愛情たっぷりのあくまきなんです。

ここが他と違うところなんではないのかなーって思います。

自分たちが商品を作る上で一番大事にしてるところが素材を知ることなんです。

その知ってる素材から愛情が生まれ、愛着のあるがまこう庵の商品になると信じています。そしてなにより喜んでくれる人がいるから作るんです。

ウチでは一番は娘が喜んで食べてくれる。だから作るんです(笑)娘のために作るのが1番の理由で申し訳ない(笑)でもこれが郷土料理。家族の為に作るものがやっぱり郷土料理だと思います。

最後に今年のゴールデンウィーク故郷に帰れない方にお知らせです。

がまこう庵のあくまきオンラインショップで販売します。

今年は自宅であくまきを食べて田舎に帰った感じになってもらえたら嬉しいですね。

それじゃまたですねーー。

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1977年宮崎県都城市生まれ、そば屋がまこう庵2代目。 (株)がまこう庵代表取締役、都城産のそばを多くの人に知ってもらい喜んでもらいたい。そして都城のそばを世界へ。 自分の育った都城が大好きでそばと共に都城の事も発信していきたい。
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