アヒル南蛮そば。がまこう庵では鴨南蛮そばでなくアヒル南蛮そばなのです。アヒルが好きだからその訳をブログで伝えたい。

10月に無事にお米の収穫も終わりました。今年はこの辺り、どこも収量も少なく大変だったみたいです。でも。うちの田んぼでは去年よりも収量が多くなりました。やったね。

どうもこんばんわ。ちょっとだけお米を作るの得意なそば屋がまこう庵2代目そばっこです。

得意げに米作りをしてるとは言ったものの。1人で全部やった訳ではないです。いろんな人に手伝ってもらいながら無事収穫できたのです。そして何よりがまこう庵の米作りで頑張ってくれた、欠かせない存在はアヒルくん達。

田んぼを駆け巡り草や害虫、田んぼの土壌作りなど色々手伝ってくれたからね。今年も助かりました。そして美味しいお米をみんなで食べることができました。ありがとう!!アヒル農法について書いたブログもありますので興味がある方はこちらものぞいてくださいね。

あひる農法から感じる事こんな事でした
あひるは今日も田んぼを駆け巡っています。このあひる達は餌をあげる時。パンパンと手を鳴らしご飯の合図を出します。そうするとあひる達は集まってき...

ということで今日はこのアヒルくんの行く末について書きますね。ていうかタイトルからもう行く末がわかる気がしますが(笑) 

アヒル南蛮そばはじめました。

結論から言いますと、この夏田んぼで頑張ってくれたアヒルくんは全部食べます!!!そば屋でアヒル南蛮そばとして生まれ変わります。

店内のポップ

鴨南蛮そばならぬアヒル南蛮そばです。味的には似ている味ですが、鴨よりもむしろアヒルのお肉の方が美味しいのではって思ってます。味が似てるのは鴨とアヒルは分類上同じ部類に属するからなんです。

分類上アヒルの元をたどればマガモになります。人間が家畜化するために品種改良してアヒルになりました。アヒルを漢字で書くと「家鴨」と書きます。家にいる鴨。すなわちそれがアヒルなんです。

分類こそあるものの、アヒルも鴨も合鴨もみんな仲間なのです。結構料理で使われる鴨肉。鴨肉って書いてあるけどほんとはアヒルの肉を使っていることが多いの。これはあまり知られていないけど、ほぼほぼアヒルの肉と言っても良いくらい。表記上はアヒルの肉を鴨と書いても特に規制はないみたいです。分類では仲間だし、アヒルの肉を鴨肉って言っても良いのです。

鴨は濃い野生の味で硬め。一方アヒルは柔らかくて臭みがない。ただ脂身が多いので油っぽい。合鴨は鴨とアヒルの中間と言ったところでしょうか。

あひるの解体処理は友達の所にお願いしてます

山田町の地頭鶏専門店の(株)鶏愛さん。がまこう庵の人気メニュー地頭鶏そばの鶏肉はこちらから仕入れています。

アヒルの解体処理はこの鶏愛の川野さんに無理言ってお願いし処理をしてもらってます。鶏は毎日処理してますが。まさかのアヒルの処理です(笑)毎日忙しい川野さん達に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。アヒルの処理はとても大変。水鳥なので羽が多く抜けにくく、羽をを抜く作業が特に大変だと言ってました。

そんな大変ではあるけど。それでも毎年快く受けてくれる。こんなそば屋のためにいつもありがとうございます。

近くにこういう良い仲間がいてくれたことにすごく感謝します。

直売所では地頭鶏の生肉も購入できます。よかったら行ってくださいねーー。

みやざき地頭鶏のそのままの味を皆様に安心して味わっていただくこと、それが私たちの願いであり喜びです。霧島山麓の恵まれた土地で、美味しい空気と水をつかって大事に育てています。

鴨南蛮そばでなくがまこう庵はアヒル南蛮そばってメニュー名です

メニュー名鴨南蛮そばでなくアヒル南蛮そばにあえてしています。別に鴨南蛮そばでも良いし、鴨の方がわかりやすくて、伝わりやすい。アヒルってネーミングだとよくわかりにくいですよね。自分も思います(笑)しかもアヒルってなんか可愛いイメージ(アヒル口とかw)そんな可愛いアヒルを食べるの?って思われそう。いや。。。実際ウチのお客さんからもアヒルだってーーーって声が聞かれるのは事実。鴨ってなんか食用的で違和感はないけどアヒルだと違和感があるのかなーー。

でもがまこう庵は鴨南蛮そばでなくアヒル南蛮そばと呼ばせてもらいます。

あえてアヒルって名前にこだわる理由があります。それは田んぼで米作りを一緒にがんばったアヒルだから。そこはお蕎麦になって多くの人に伝えたいのです。アヒルの存在を知ってもらいたいのです。人は生き物を食べて生活している。これはすごく当たり前で自然なこと。生きるために食べ物を食べるっていう意味です。そういうこともそば屋で感じてもらいたいっていう気持ちです。

そういう意味でもう1つやってる事があります。それはこのアヒル南蛮そばで使っている肉の部位が普通ではないのです。

一般的の鴨南蛮そばはむね身の肉だけ使うのが普通なのですがウチのアヒルそばはむね身はもちろん。もも肉、ささみ、ネックの部位を使いミックスで出てきます。なぜむね身だけではないのか?答えは簡単です。使える部位は全部使いたいから。全てのお肉がアヒルなんです。アヒル全部を出し切りたいの!もったいないっていうのもあります。ただのせこいそば屋かも(笑)

そしてこういうメニューを出すとたまに言われるのが動物愛について。かわいそうーーーとか。なぜ食べないといけないのですか?って質問も受けます。

アヒル達はその年その年で雛からスタートしないといけないのです。簡単にいうと今年の田んぼで頑張ったアヒル達は来年は田んぼに放せない。

なぜ次の年に、田んぼに放せないのか?大きくなったアヒルを田んぼに放すと、植えたばかりの小さい稲を踏み潰して、稲がめちゃくちゃになってしまう。稲が育たないので放せないのです。

さらにアヒルは自然界に存在しない作られた種類なのです。野生に放つ事を禁止されています。こういう合鴨農法で育った鴨は(うちはアヒル農法だけどw)農法が終わったら食用になるのが一般的です。来年はまたヒナから飼い、稲と同じようなスピードで成長させて田んぼの仕事を手伝ってもらうのです。

自分は動物好きです。動物園の飼育員を目指していたし、野生動物の保護の仕事も興味がめちゃくちゃあった。図鑑で絶滅危惧種とか見るとめちゃくちゃ心が痛いし、人間の都合でこういう状況に陥ってしまったと人間の存在すら否定する時期もありました。

そんな自分ですがアヒルを食べる行為とか家畜を食べること。つまり命をいただくって事は人間である以上当たり前であると常々思っています。なので自分はかわいそうとか哀れみの感情なく食べれます。ていうか食べることに感情なんて必要なのか?ってくらいな気持ちです。。。矛盾だらけでひどいそば屋でしょ?そう思われてもしょうがないけど。それが自然の流れ。自分的にはこれはごく普通に自然な考え方だと思っているんですけどね。そういえば最近Twitterを見ていたらすごく腑に落ちたツイートを尊敬している友達の牛飼いさんがしてました。

屠畜を決めるのは全て僕なので、全部僕が背負います。フワフワしたありがとうや綺麗事もくだらない誹謗中傷も同列に要らない。生きてる時は牛に何ができるか、肉になったら食べてくれる人に何ができるか。それしか無い。向き合うってそう言うことだと思ってる。

そうだよなーーって1人納得。屠畜するのは自分で決めた。そしてその牛について全部自分が背負う。背負うって言葉が自分の中で突き刺さり、ここに非常に共感を覚えた。牛飼いの田中さんはどう思ってうかはわからないけど。この全てを背負うというのは全ての人も背負うべきだと自分の中で考えます。育てる側。売る側。作る側。食べる側。その全ての人が背負い向き合うべきだと自分は思うのです。

自分はこのアヒル達をいかに美味しく仕上げていくのかが自分の責任でもあるし、雑な手を抜いた仕事ではいけないのです。

アヒル南蛮そばをやる前の儀式

作り手としてアヒル南蛮そばを始める前に儀式的なことを行うようにしてます。

アヒル達と向き合う為の儀式です。

その儀式とは。自分が尊敬する大好きな宮崎市内にあるお蕎麦屋しみずさんで鴨南蛮そばを食べるということ。毎年このアヒル南蛮そばを始める時期にしみずさんの鴨南蛮そばを食べるようにしてるの。なぜかって?それはがまこう庵のアヒルそばをどうにかこの味に近づけたい もっと美味しいアヒル南蛮そばにしたいと思っているから。ちょっと勘違いしないでくださいね。パクるわけではないからね。リスペクトですので(笑)
このそばっこがアヒルの責任を背負います。名店の味に近いアヒル南蛮そばを独自で模索し追求し完成しました!!

という事で色々書きましたが今日お伝えしたい事はほんとはすごく短いの。

アヒル南蛮そば今年もがまこう庵でやってますってことだけです(笑)よろしくです。

それではまたですね。

がまこう庵

宮崎県 都城市 吉之元町5186

◎営業時間午前10時〜午後4時

◎定休日毎週火曜日・第1水曜日(祝日の場合は営業)

◎電話・ファックス0986・33・1226

◎メール gamakouan@gmail.com

がまこう庵の詳しい情報はこちら

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1977年宮崎県都城市生まれ、そば屋がまこう庵2代目。 (株)がまこう庵代表取締役、都城産のそばを多くの人に知ってもらい喜んでもらいたい。そして都城のそばを世界へ。 自分の育った都城が大好きでそばと共に都城の事も発信していきたい。
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